主婦が働いてそれなりの収入を得るためには、パートの掛け持ちと正社員どちらを選ぶのが良いのでしょうか?
主婦が仕事を探す場合、目先の収入だけでなく家事・育児との両立、今後のライフスタイルの変化なども考慮する必要があります。
今回は様々な角度からパート掛け持ちと正社員、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
主婦のパート掛け持ちと正社員はどちらがきつい?
労働時間や職種により異なるので一概には言えませんが、一般的には正社員の方がきついと感じやすい傾向があります。
正社員は責任のある仕事を任されることが多い分、どうしても精神的な負担が大きくなりがちです。
また、残業せざるを得ないケースも多いので体力的にも辛くなりやすいと言えるでしょう。
一方、パートの掛け持ちでも勤務場所同士が離れていたり、シフトが不規則だったりする場合は注意が必要です。
移動や準備に時間がかかるぶん、ハードスケジュールになるので体力的に辛くなることも考えられます。
主婦のパート掛け持ちと正社員はどちらが稼げる?
時給換算した場合、正社員とパートではそれほど給与が変わらないケースも多いです。
実際、パートを掛け持ちして同じ時間働く正社員より稼いでいる人は少なくありません。
しかし、正社員の場合はパートに比べ、賞与や交通費など給与以外のお金が支給されることが多くなります。
責任のある仕事をするぶん、昇給・昇進も期待できるでしょう。
貰えるお金だけでなく、出ていくお金にも注意が必要です。
雇用形態に関わらず年収130万円を超えると、扶養から外れ年金や健康保険料を支払わなければなりません。
一カ所で働いている場合は勤務先の社会保険に入れば良いのですが、複数のパートを掛け持ちしていると、どの職場でも社会保険の加入条件を満たせないケースもあり得ます。
その場合、自分で国民年金・国民健康保険料を支払わなければならず、社会保険に比べると負担額が大きくなってしまいます。
トータルで考えると正社員の方が稼ぎやすいかもしれませんね。
主婦がパートを掛け持ちするメリット
主婦のパートを掛け持ちは、なんといっても気負わずに働けることでしょう。
以下にメリットをまとめました。
フレキシブルな働き方ができる
パートを掛け持ちする最大のメリットは自分のライフスタイルに合わせて働く時間を設定できることです。
昼間に4時間、夜間や早朝に3時間など、空いている時間に少しずつ働くことができるので家庭の事情でまとまった時間働けない主婦でも労働時間を確保しやすくなります。
また、パートなので日数や勤務時間の融通が利きやすいとうメリットも。
残業を命じられることも少ないので家庭との両立はしやすいでしょう。
リスクを分散させられる
一つの職場で働いていると、経営状況によって収入が変わってしまうこともあります。
パートを掛け持ちしておけば、仮に一カ所で収入が減っても他の職場で補填することが可能です。
また、職場との相性が悪い、人間関係のトラブルがあるといった場合でも他の職場があるので気軽に辞めることができます。
気分転換ができる
同じ作業ばかりを長時間やるのは心身ともに疲れてくるものです。
そのため、パートを掛け持ちしている人の中には全く違う仕事をすることで気分転換を図っている人もいるようです。
自分自身の適性を考える必要はありますが、デスクワークのあとに体を動かす仕事をしたり、接客業のあとに作業系の仕事をしたり、全く違う仕事をして心身のバランスを取ることも可能です。
主婦がパートを掛け持ちするデメリット
比較的自由に働けるパートの掛け持ちですが、以下のようなデメリットもあります。
キャリアを形成しにくい
パートの場合、比較的簡単な誰でも出来る仕事を任されることが多くなります。
仕事内容が限定されるため、特定のスキルや専門性を身に付けることは難しいでしょう。
責任のある立場になることも少ないので、長く続けても正社員ほどの昇給は見込めないことが多いです。
収入だけでなく、やりがいという面でも物足りなさを感じる人は少なくないようです。
休んだ分収入が減る
月給制の正社員と違って、パートは基本的に時給制なので働いた分しかお金が入りません。
子供の病気などで働けない日が続いてしまうと収入がガクッと減ってしまいます。
条件を満たしていればパートにも有給休暇は付与されますが、1カ所あたりの勤務日数が少なければ有給休暇の付与日数も少なくなってしまいます。
正社員に比べ休みは取りやすいかもしれませんが、収入が保証されていないのは辛いものです。
主婦が正社員になるメリット
主婦が正社員になるメリットには次のようなものがあります。
安定している
正社員になる最大のメリットは安定です。
毎月コンスタントに収入があるのは、やはり安心感が違います。
さらに、賞与の有無や、交通費・住宅補助など福利厚生の面でパートよりも優遇されているケースが多く、手取り月収以上の経済的余裕が生まれることもあります。
また、パートは労働契約が有期であることも多いのですが、正社員は無期限の場合がほとんどなので雇用面でも安定していると言えるでしょう。
キャリアを形成しやすい
正社員はパートに比べると任せられる仕事の幅が広いので、様々なスキルを身に付けることができます。
職場によっては教育を受けることができたり、資格取得の費用をサポートしてもらえたりするケースも。
スキルが身に付けば担当できる業務の幅がさらに広がるので、昇進や昇給も見込めます。
転職を考えている場合でも有利に働くでしょう。
現状で満足せず、キャリアアップを考えている人は正社員がおすすめです。
やりがいのある仕事ができる
専門性のある仕事を担当することや、責任のある立場になることが多い正社員。
プレッシャーも大きいですが、その分仕事のやりがいも感じることができるでしょう。
家事や育児も立派な仕事ですが、成果が見えづらく頑張っても評価されにくいため、むなしさを感じてしまうことも多いもの。
仕事にやりがいを感じられれば、そういったフラストレーションが解消できそうです。
主婦が正社員になるデメリット
安定とやりがいが魅力の正社員ですが、次のようなデメリットもあります。
勤務時間を調整しにくい
正社員の場合は、週5日まとまった時間働かなければならないことがほとんどです。
自分の都合に合わせて時間や日数を調整できるパートに比べると、どうしても自由度は下がります。
また、職場によっては残業があたりまえという雰囲気のところもあります。
絶対に抜けられない会議があったり、出張を命じられたりと、子育て中の主婦の場合はスケジュール調整に気をもむことも。
勤務先と働き方について話し合ったり、夫に協力を要請したりといった工夫も必要です。
ストレスが溜まりやすい
やりがいのある仕事ができるぶん、プレッシャーがかかることも増えます。
シビアな納期やノルマが課されることもあるので、忙しい時期はピリピリしてしまうことも。
さらに、主婦の場合は家庭との両立という問題もあります。
大事な会議の日に限って子供が熱を出してしまったり、残業して仕事を片付けたいのにお迎えのために帰らなければならなかったり。
そんな時に自由に残業や飲み会に行く夫を見てイライラしてしまうケースも少なくありません。
正社員にも色々な働き方がある
収入やキャリアのことを考えると魅力的な正社員ですが、色々と制約があるため諦めている人も多いのではないでしょうか?
しかし、最近は正社員でも柔軟な働き方ができるよう以下のような制度を導入している会社も増えています。
- 在宅勤務
- フレックス勤務(都合に合わせて勤務時間を前後にずらすことが可能)
- 時間単位年休(必要な時間だけ休暇を取ることができる)
- 地域限定正社員(転居を伴う移動が無い正社員)
- 短時間正社員(諸事情でフルタイム勤務できない社員向けの制度)
「本当は正社員として働きたいけど、現状を考えると厳しそう」と思っている人は、こういった制度を導入している職場が無いかチェックしてみましょう。
主婦のパート掛け持ちと正社員どちらがいいかは人それぞれ
パートの掛け持ちと正社員、どちらが良いかはそれぞれの考え方やライフスタイルによって異なりますが、一般的には以下のような傾向があるようです。
- パート掛け持ちの方がストレスは少ない
- 正社員の方がトータルで考えると金銭的メリットは大きい
「お金が貰えればOK、プライベート重視で気楽に働きたい」という人はパートの掛け持ちが良いでしょうし、「将来も見据えてキャリアアップしたい」と考える人は正社員の方がおすすめです。
いずれにしても主婦が家事も仕事も一人で抱え込むのは大変です。
会社の制度を利用したり、家族に協力してもらったりしながら無理し過ぎないように働いてくださいね!